各団体の危機管理対応マニュアル作成のための参考資料
DRC 危機管理対応マニュアル
2014年1月策定 保管 実務委員は、最新版の危機管理対応マニュアルを職場と自宅に保管する。 |
-目 次-
Ⅰ. 本マニュアルの目的
Ⅱ. 緊急時対応マニュアル
1.想定するリスクシナリオ
(1) 国内での緊急シナリオ1 (東京オフィスに直接影響ある場合)
(2) 国内での緊急シナリオ2 (上記以外)
2.緊急報告ルートおよび報告方法
3.危機管理体制
(1) Crisis Management Team (CMT)設置の検討
(2) CMTの役割と責任
(3) 危機管理責任者
(4) CMTの運営
(5) CMTを設置しない場合の対応体制
- 本マニュアルの目的
大規模災害等が日本国内で発生した場合に教団・教派を超えて、震災救援キリスト者連絡会が迅速かつ効果的に活動を行うために、事前に対応方法をまとめたものが本マニュアルである。
- 緊急時対応マニュアル
1.本マニュアルで想定する緊急シナリオ
- 国内での緊急シナリオ1
OCCに直接大きな影響があり、通常業務が著しく困難な場合
例:
大規模な地震、風水害等による
- ライフライン(水、電気)の停止
- 通信基盤の停止
- システムの停止
- 公共交通機関の停止
- 教会/教団/各種キリスト教団体/パートナー(企業)等の安否不明
- 国内での緊急シナリオ2
上記(2)以外のケースで、緊急人道支援を行う組織としての責任を果たすべき、あるいは求められると想定される場合
例:
- 大規模な地震、風水害等
- 争乱等の非常事態
- その他の重大な被災
- 緊急報告ルートおよび報告方法
(1) 国内における大規模災害、争乱等非常事態発生に伴う危機発生の場合
国内で大規模な災害、争乱等の非常事態が発生した場合、できる限りの当面の安全を確保したうえで、会長および実務委員は現状把握を行う。
(2) 報告手段
報告手段は、電話を基本と考える。 しかし、状況に応じてそれが難しい場合には、最も安全で速やかな通信手段を講じる。
(3)実務委員会内の情報共有
報告を受けた会長(会長が不在の場合は会長が指定した実務委員)は、状況に応じて、実務委員に情報を共有する。
- 緊急時における危機管理体制
(1) Crisis Management Team (CMT)設置の検討
報告を受けた会長は、事態に応じて、他の実務委員と協議の上、「危機管理責任者」としてCMTの設置要否を決定する。
(2) CMTの役割と責任
CMTとは、以下(3)で定める「危機管理責任者」が長となり、実務委員をコアメンバーとする危機管理チームであり、以下を行う。
・情報収集
・国内外関係各所との連絡/調整
・国内支援事業の要否/有無検討
・広報
(3) 危機管理責任者
危機管理責任者は、会長がその任にあたる。会長が不在等の場合は、副会長が代行する。
図1: 緊急事態対応フロー
(4) CMTの運営
- 危機管理責任者は、CMTが設置されたことを関係団体に通知する。
- CMTは、原則以下(表1)に示す体制とする。担当者不在等の場合は、CMTにて協議のうえ、危機管理責任者が代行者を定める。
- CMTの本部は、原則としてOCC事務所とする。ただし、事務所機能に損害がある等、事務所を本部とすることが困難な場合には、危機管理責任者がCMT内で協議のうえ、別に定める。
- CMT設置後、危機管理責任者は、CMTメンバーと協議のうえ、必要と思われるスタッフをCMTに加えることができる。
- CMTは、必要な危機管理対策を立案し、危機管理責任者の承認の下、対策を実施する。
- CMTは、原則として以下に則り、国内支援事業の実施につき検討・決定する。
- 発生した危機等による被災状況を、可能な限り迅速かつ的確に把握する。
- 上記a)に基づき、関係団体との調整を経て、支援事業の実施有無、実施する場合のレベルを検討する。
- 国内支援事業の実施が決定した場合には、CMTメンバーが実施体制につき協議・決定する。
(表1)
Crisis Management Team (CMT) |
||
対応事項 | 担当者 | 主な業務 |
危機管理責任者 | 会長
(不在の場合は副会長) |
・危機管理対策の決定、実施の統括
・関係各団体(教団、教派等)への連絡・調整 ・危機管理対策に関する団体内発信/共有 ・平時体制移行の決定 |
安全管理 | 実務委員(A) | ・OCCとの連絡・調整
・情報システムの安定的稼働/復旧 ・対策/対応状況等の記録 |
国内対応 (広報除く) |
実務委員(B) | ・関係者への対応・情報発信
・支援者(企業を含む)との協力・調整 ・国内支援事業を行う場合の資金調達とドナー対応 |
国内支援事業 および
国外対応 |
実務委員(C) | ・海外との連絡/調整(人的資源の確保含む)
・(実施決定の場合)国内支援事業形成・実施 |
危機管理対応策の立案 | 実務委員(D) | ・被害状況の把握(情報収集と分析)
・危機管理対応策(国内支援事業の実施有無含む)の立案(CMT協議用)と調整 ・危機管理責任者の補佐 |
広報 | 実務委員(E) | ・発生危機に関する報道情報の収集、分析、団体内共有。
・対外広報(メディア対応含む) |
(5) CMTを設置しない場合の対応体制
以下表2の体制で行う。
(表2)
対応事項 | 担当者 | 主な業務 |
全体統括 | 会長あるいは会長が指名する者 | ・事案に関する関係各団体(教団・教派、関係団体等)への連絡 ・連絡責任者が策定する方針案、実行の承認・サポート |
連絡責任者 | 実務委員(A) | ・OCCとの連絡調整 |
広報 | 実務委員(B) | 事案に関する情報収集、対外広報(対応) |